第一種換気システムは導入すべきか計算してみた

注文住宅

我が家は換気システムをどうするか絶賛悩み中です。気密性と断熱性は高める予定なので、高気密高断熱と第一種換気システムはセットだと思っていましたが、youtubeで高気密高断熱について解説している松尾設計室の「一種換気 つけたほうがいいかどうか自分で判断する方法」という動画を見つけましたので、実際に計算してみて経済性の観点から一種換気を導入すべきか考えてみます。

一種換気 つけたほうがいいかどうか自分で判断する方法

どのように計算するかというと、まずは三種換気と一種換気の換気による損失熱量の差を冷暖房費に換算します。次に、一種換気の導入費用を回収するのに何年かかるかを計算し、一種換気を導入すべきかを考えます。

第一種換気システムの設置費用を電気代で回収するには何年かかる?

条件

松尾設計室さんの動画では延べ床面積120㎡のモデルケースで計算をしていますが、私は35坪程度の家を建てる予定なので35坪(115.5㎡)で計算します。延床面積115.5㎡の総2階ですので、1階、2階ともに延床面積が57.75㎡となりますので、建物を横10メートル、縦5.775メートル、高さ6メートルの立方体と仮定します。また、外気温などは私の建設予定地(6地域)の気温となっています。

条件設定

  • 延床面積 115.5㎡
  • 6面の表面積 (57.75+60+34.65)×2=304.8㎡
  • 家の容積 10×5.775×6=346.5㎥
  • 1時間の換気量 346.5÷2=173.25㎥/h
  • 冬(11~3月)の設定室温 20℃
  • 冬の平均外気温 8℃
  • 夏(7~8月)の設定室温 26℃
  • 夏の平均外気温 28℃
  • 第一種換気システムの熱交換率 80%
  • 電気代の単価 25円/kWh
第一種換気システムにすることで節約できる冷暖房費

それでは第三種換気と第一種換気の冷暖房費の差額を計算してみます。まずは第三種換気で逃げる熱量を計算します。

計算式 換気量(㎥/h)×内外温度差(K)×0.35W/㎥K=損失熱量

計算 冬:173.25㎥/h × 12K × 0.35W/㎥K727.65Wh

   夏:173.25㎥/h × 2K × 0.35W/㎥K121.275Wh

この0.35W/㎥Kは動画内では特に説明されていませんが、空気が運べる熱量(容積比熱)のことで、常に一定だそうです。

次は第一種換気で逃げる熱量を計算します。

計算式 換気量(㎥/h)×内外温度差(K)×0.35W/㎥K×(1-熱交換率)

計算 冬:173.25㎥/h × 12K × 0.35W/㎥K ×(1-0.8)=145.53Wh

   夏:173.25㎥/h × 2K × 0.35W/㎥K ×(1-0.8)=24.225Wh

第一種換気にすることで得する熱量は

冬 727.65Wh-145.53Wh=585.12Wh

夏 121.275-24.225=97.05Wh   となりました。

この数字は1時間あたりの熱量となりますので、冬(11月~3月)と夏(7月~8月)で計算すると

冬 585.12Wh×24h×150日=2106.432kWh 

夏 97.05Wh×24h×60日=139.752kWh  です。

この損失熱量をエアコンで賄うと考えた場合に得する電気代を計算します。

計算式 損失熱量 ÷ エアコンの実行効率(COP)× 電気代の単価

計算  冬 2106.432kWh ÷ 3 × 25円/kWh 17,553円

    夏 139.752kWh ÷ 5 × 25円/kWh698円

    通年 17,553+698=18,251円

よって、一種換気にすることで節約できる冷暖房費は18,251円となりました。

第一種換気にすることで余計にかかる電気代

一種換気と三種換気の消費電力の差を計算します。

計算式 (一種換気の消費電力-三種換気の消費電力)× 24h × 日数

計算   (39-3)W × 24h × (150日+60日)181.44kWh

これに電気単価をかけて金額に直します。

181.44kWh×25円/kWh=4,536円

一種換気にすることで余計にかかる電気代は4,536円となりました。

一種換気にすることで得する電気代

一種換気にすることで得する電気代は 18,251円-4,536円=13,715円  となります。

第一種換気システムの設置費用を電気代で回収できる年数

第一種換気にすることで得する電気代は13,715円/年とわかりました。では、次に一種換気の設置費用を回収できるのに何年かかるかを計算します。

計算式 設置にかかる追加費用 ÷ 13,715円 = 回収できる年数

松尾設計室さんの動画では設置にかかる追加費用を40万円としています。仮に40万円とした場合は、

  40万円 ÷ 13,715円29年 

29年で回収できることになります。ただ、動画内ではカタログ通りの性能が出ないことも言及されており、その場合は回収年数が倍近くになるそうです。もし倍近くの年数がかかるとしたら回収年数が60年近くになります。また、第一種換気の場合は熱交換器のメンテナンスにもお金がかかるため、実際の回収年数は更に長くなります。

また、三種換気が標準仕様のメーカーで一種換気を入れようとするとオプション代が100万円を超えることも珍しくありません。仮にオプション代が100万円の場合は、その費用を回収するのに72年かかります。これでは先に寿命が来てしまいます。

まとめ

松尾設計室さんの動画では明石市で検証しており、設置費用を電気代で回収するには相当な年数を要することが解説されております。

今回は私の建設予定地で考えてみましたが、明石市と同様に元を取るにはかなりの年数が必要だとわかりました。経済性だけを求めるなら三種換気のほうが優れています。寒冷地なら一種換気のほうがコスパが高いかもしれませんね。

ただ、一種換気は三種換気よりも湿度の維持がしやすく(全熱交換型に限る)、快適性の観点から見れば一種換気のほうが優れています。一種換気を導入するなら自分がどれくらいのデメリットなら許容できるか事前に理解して導入しないと、後で思ったよりもコストがかかり後悔するかもしれません。

また、今回はC値は考慮していません。C値を考慮した場合も今度考えてみたいです。

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